テニスをしていると、必ず直面するのが「このボール、いつまで使えるんだろう?」という悩みです。
「まだフェルトも綺麗だし、捨てるのはもったいない……」 「サークルで使っているけど、誰も替えようって言い出さないし……」
そんな風に、なんとなく期限を引き延ばしていませんか?実は、その「もったいない」という感覚が、あなたのテニスの上達をこっそり邪魔しているかもしれません。今回は、プロも実践するテニスボールの寿命と、正しい見極め方を徹底解説します。
テニスボールの寿命は「想像以上に短い」
まず知っておきたいのは、テニス缶に入っている「プレッシャーボール」の宿命です。
プレッシャーボールは、缶の中の圧力を高めることでボール内の空気が抜けないように密閉されています。つまり、プシュッと缶を開けたその瞬間から、劣化のカウントダウンが始まっているのです。
プロの試合では、なんと「9ゲーム(最初は7ゲーム*1)」ごとに新しいボールに交換されます。一般プレーヤーがそこまでシビアになる必要はありませんが、本来の性能を発揮できるのは、開封から「2〜4時間」の練習が目安。
「まだ弾むから大丈夫」と思っていても、実際にはボールの心臓部である空気圧は着実に低下しているのです。
*1「7ゲーム」と「9ゲーム」の理由
プロの試合では、**「最初の交換だけ7ゲーム目、その後は9ゲームごと」**というルールがあります。
最初の7ゲーム: 試合開始前には「ウォーミングアップ(練習)」の時間がありますよね。そのアップで使った時間分だけボールが消耗することを考慮して、最初は少し早めの7ゲーム目に交換します。
その後の9ゲーム: 一度新品に交換した後は、アップの時間がないため、規定通りの9ゲームごと(9、18、27…)に交換していきます。
寿命を見極める「5つのチェックリスト」
では、具体的にどうなったら「替え時」なのでしょうか?迷った時は、次の5つのポイントを確認してみてください。
バウンドテスト(腰の高さが境界線) ネットの横に立ち、ボールを肩の高さからコート(ハードまたはオムニ)に落としてみてください。跳ね返りが腰の高さまで戻ってこないなら、それはもう寿命です。
指で押した時の感触(「ペコペコ」はNG) 親指でボールを強く押してみてください。新品は跳ね返すような硬さがありますが、古いボールは簡単に凹んで「ペコッ」と指が沈み込みます。
フェルトの摩耗(ハゲていないか?) 表面の黄色い毛(フェルト)が薄くなり、中のゴムが見えそうなほどツルツルになっていませんか?フェルトがないと、スピンが全くかからなくなり、コントロールが不可能になります。
打球音の変化(「パスッ」という音) 打った時に「パコーン!」という乾いた音ではなく、「パスッ」「ボソッ」という鈍い音が混じり始めたら、中の圧力が限界を迎えているサインです。
開封からの「期間」 たとえ1回しか使っていなくても、開封から2週間経ったボールは、自然と空気が抜けて本来の反発力を失っています。
弾まないボールを使い続ける「3つのリスク」
「練習なんだから、古くてもいいじゃない」と思うかもしれません。しかし、劣化したボールでの練習には大きな代償が伴います。
打点が下がり、試合で勝てなくなる
弾まないボールに慣れると、自然と打点が低くなります。しかし、試合で新しいボールを使われた瞬間、普段の感覚ではすべて振り遅れたり、オーバーアウトしたりするようになります。スイングが壊れる
飛ばないボールを無理に飛ばそうとして、腕に余計な力が入ります。これが「力み」の原因となり、スムーズなフォームを崩してしまいます。テニス肘などの怪我のリスク
空気圧が落ちたボールは衝撃吸収が悪く、打つたびに振動がダイレクトに手首や肘に伝わります。怪我をしてテニスができなくなるのが、一番の「もったいない」ですよね。
まとめ:上達への近道は「常に同じ条件」で打つこと
テニスは非常に繊細なスポーツです。ボールの状態が変われば、距離感もタイミングもすべて狂ってしまいます。
「まだ使える」という勘違いを捨てて、定期的に新しいボールに新調すること。それこそが、実はテニス上達のための最も安い投資なのです。次回の練習では、ぜひバッグの中のボールをチェックしてみてください!

